Topaztan’s blog

映画やドラマの感想や考察をつづっています

2023-01-01から1年間の記事一覧

寿福寺紀行〜実朝五輪塔参拝記

今年10月に、念願の実朝様の五輪塔(寿福寺)にお参りしてきました!その様子をレポしたいと思います。 1.寿福寺と実朝 2.寿福寺への道 3.いよいよ寿福寺へ 1.寿福寺と実朝 実朝・政子の五輪塔があることで有名な寿福寺は、源義朝の旧邸があった土地に建て…

「実朝まつり」に行ってきた!

(大聖山金剛寺の実朝像(当記事の写真は筆者撮影)) 2023年11月23日(木)、秦野市で開催された実朝まつりに行ってきました!諸事情あって一部分しか参加できませんでしたが、とても楽しかったです。 1.実朝まつり概要 2.実朝まつり紀行 1)秦野駅から 2)大聖山…

クリス・ヘムズワースとロキの関係まとめ

サマリー: ヘムズワースはダークワールド公開後しばらくしてから、ダークワールド含めそれまでのソー出演作品、特にダークワールドへの批判を口にするようになり、ファイギに死にかけている気分であるとか手錠をかけられている気分と伝え、ソーの方向性に大…

源実朝没後七百年記念行事②〜実朝を主人公にした歌舞伎演目の上演

実朝没後七百年祭は、歌舞伎の世界でも行われ、少なくとも3箇所、2演目で実朝を題材にした歌舞伎が上演されました。 ◉大正8年4月 場所: 明治座 <演目> 実朝公七百年祭記念狂言山崎紫紅『実朝公』(新作) 鎌倉八幡宮の場 <配役> 源実朝 升三 ほか ・当時の…

「主婦」が「趣味」に打ち込む大変さ・マイノリティとしての共感〜『ロスト・キング 500年越しの運命』(ネタバレ感想)

この映画を観ながら、これは私のことだ、とずっと思い続けていました。歴史上の人物にのめり込み調査する一般人として、また自分の趣味に没頭することのハードルが高い「主婦」として。 物語は、息子の観劇教室に付き合ったフィリッパ・ラングレーが、その演…

源実朝没後七百年記念行事①〜源実朝公七百年祭

源実朝は、1898年正岡子規の『歌よみに与ふる書』をはじめとする近代のアララギ派による称揚による注目以降、生誕や没後の節目ごとに記念の年として様々な催しが行われてきました。たとえば主だったものでは以下の年があります。 ・大正8年(1919年):没後七百…

源実朝の「夢日記」に書かれていたもの〜『鎌倉殿の13人』小道具の解読の試み〜

『鎌倉殿の13人』の42回「夢のゆくえ」で、将軍源実朝が宋の工人陳和卿と面会し、その内容が以前実朝が見た夢に一致するという、吾妻鏡でも有名な逸話を元にしたシーンが描かれました。 <ドラマあらすじ> 1216年6月、源仲章が京から宋の国の匠、陳和卿を連…

知られざる源実朝小説・戯曲①〜岡松和夫『実朝私記抄』

源実朝を扱った文芸作品は、有名なものとしては太宰治『右大臣実朝』、小林秀雄『実朝』、吉本隆明『源実朝』などがあります。以前書いたブログでも書きましたが、戦前〜戦後しばらくは実朝が文学界に大きなプレゼンスがあった時期であり、今でも読み継がれ…

源実朝の幻の消息を求めて〜善光寺「右大臣実朝卿消息」について調査顛末記

1.「国立国会図書館デジタルコレクション」は素晴らしいぞ 2.よく見えない〜善光寺に問い合わせ 3.図書館でそれっぽい本を調べてみる 4.写真集実物を入手・「みを」をパートナーに解読…そして急展開 5.改めてググったら…衝撃の真実 6.結論 1.「国立国…

『鎌倉殿の13人』における源実朝像の「新しさ」とは何か ー 従来の実朝像・研究動向との比較 <後編>

林勇『少年 右大臣源実朝』(大同館書店、昭和6年)挿絵(国立国会図書館デジタルコレクションより) 前編のつづきです ※2023年5月25日に 16)官位について の項目を追加しました 3.ドラマと史料類との異動・考察 1) 時政との関係 2) 疱瘡 3) 和歌への傾倒 4) 結…

『鎌倉殿の13人』における源実朝像の「新しさ」とは何か ー 従来の実朝像・研究動向との比較 <前編>

土岐善麿『源実朝 (青少年日本文学)』(至文堂、昭和19年) の挿絵 羽石光志 画 ※国立国会図書館デジタルコレクションより 源実朝は、近年著しく評価が変わってきた人物の1人です。たとえば実朝没後800年に編まれた、和歌研究者の渡部泰明氏編の『源実朝 虚実…

屏風・衝立類から読む『鎌倉殿の13人』

2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13』人では、美術の面でも大変興味深く観ました。衣装や小道具はもちろん、屏風や衝立などの室礼もとても印象的でした。その時代にふさわしい、雰囲気を盛り上げるというだけでなく、それを背負う登場人物の様子の描写にも大い…

『鎌倉殿の13人』とセクシャルマイノリティ表象〜大河での同性間の愛の表現の画期性とその限界

※論をわかりやすくするためにドラマのキャプチャ画像を載せていましたが、本文章が著作権法上の例外事項である「批評」に当たらない可能性があることを考慮し、削除させて頂きました。2022/1/8 ※「夢のゆくえ」のところで「画面からは千世がはけて実朝と泰時…