Topaztan’s blog

映画やドラマの感想や考察をつづっています

2021-01-01から1年間の記事一覧

ポンコツ経営者アリシェム・心の変化の表現がセリフ頼りの「ヒューマンドラマ」・微妙な神話への目配せ〜ちょっと色々残念だった『エターナルズ』

『エターナルズ』を初日に鑑賞してきました。まず、地理的にも時間的にも壮大なスケールの物語と、10人もの様々な個性を持つヒーローをよくまとめ上げて交通整理したなあという印象を持ちました。各ヒーローはしっかり描き分けられていてそれぞれに魅力があ…

いつの間にかフェードアウトする女性同士の愛〜中途半端に終わったデビーとルーの関係性〜『オーシャンズ8』

『オーシャンズ8』(2018)を、Amazonプライムで先日やっと視聴しました。 本作は女性だけのオーシャンズチーム、しかもかっこよくてそれぞれ個性的なメンバーの痛快な活躍を描いたということで、上映当時たいへん熱狂的に迎えられました。自分のツイッターのT…

ドラマ『ロキ』: 内面の成長を重視した物語〜いたずらの神の自己受容/他者受容と脱ファシズム

7/14に衝撃的な終わり方をしたMCUドラマシリーズ『ロキ』、皆さんはどうご覧になったでしょうか? 最終話はマルチバースの扉を開く展開、唐突な終わり方とシーズン2を予告する手法など、驚きの要素が満載でした。またシリーズを通して見ると、TVA職員メビウ…

『ソー』(2011)におけるロキの抑圧と疎外 ー 親のダブルバインドと異民族の出自に苦しむ子供としてのロキー

1.初めに ディズニー+で配信されているドラマ『ロキ』をよく味わうために、今までのソーシリーズを見返しています。今までも何回も観てきましたが、改めて見直すとまた色々発見があります。 中でもそもそもの初めの『ソー』(邦題『マイティー・ソー』)(201…

ロキは真の力を覚醒させうるか〜英雄/神の冥界下り物語としての『マイティー・ソー』『ソー・ラグナロク』、及びそのリフレインとしてのドラマ『ロキ』

1.はじめに…『ソー: ラグナロク』と『ロキ』の類似性 6/9からディズニープラスで配信されたマーベルのドラマ『ロキ』は、世界中で大変注目され、大人気となっています。彼は映画では2018年『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』において、これまでで最…