Topaztan’s blog

映画やドラマの感想や考察をつづっています

日本史

光る君へ 第二話感想 〜 親世代と子世代の葛藤

(『意匠図案の栞』6(秋田県内務部、明治36.)国立国会図書館デジタルコレクションより ) 第二話も引き続き面白かったです! 平安時代のイントロダクションも引き続き行いつつ、登場人物のキャラ立てを行っていきそれを今後の展開に結びつけるという、隙のない…

光る君へ 第一話感想 〜 平安時代の社会・経済をわかりやすく描く〜

面白かったです!!! サクサクとスピーディーな展開、一つ一つ意味を持たせたセリフや描写の積み重ねなど、脚本家の手腕の手堅さを味わう45分間でした。皆が言うように、雀の子を犬君が逃がしつるの元ネタ的なのも入っており、源氏物語ファンへの目配せも怠…

寿福寺紀行〜実朝五輪塔参拝記

今年10月に、念願の実朝様の五輪塔(寿福寺)にお参りしてきました!その様子をレポしたいと思います。 1.寿福寺と実朝 2.寿福寺への道 3.いよいよ寿福寺へ 1.寿福寺と実朝 実朝・政子の五輪塔があることで有名な寿福寺は、源義朝の旧邸があった土地に建て…

「実朝まつり」に行ってきた!

(大聖山金剛寺の実朝像(当記事の写真は筆者撮影)) 2023年11月23日(木)、秦野市で開催された実朝まつりに行ってきました!諸事情あって一部分しか参加できませんでしたが、とても楽しかったです。 1.実朝まつり概要 2.実朝まつり紀行 1)秦野駅から 2)大聖山…

源実朝没後七百年記念行事②〜実朝を主人公にした歌舞伎演目の上演

実朝没後七百年祭は、歌舞伎の世界でも行われ、少なくとも3箇所、2演目で実朝を題材にした歌舞伎が上演されました。 ◉大正8年4月 場所: 明治座 <演目> 実朝公七百年祭記念狂言山崎紫紅『実朝公』(新作) 鎌倉八幡宮の場 <配役> 源実朝 升三 ほか ・当時の…

源実朝没後七百年記念行事①〜源実朝公七百年祭

源実朝は、1898年正岡子規の『歌よみに与ふる書』をはじめとする近代のアララギ派による称揚による注目以降、生誕や没後の節目ごとに記念の年として様々な催しが行われてきました。たとえば主だったものでは以下の年があります。 ・大正8年(1919年):没後七百…

知られざる源実朝小説・戯曲①〜岡松和夫『実朝私記抄』

源実朝を扱った文芸作品は、有名なものとしては太宰治『右大臣実朝』、小林秀雄『実朝』、吉本隆明『源実朝』などがあります。以前書いたブログでも書きましたが、戦前〜戦後しばらくは実朝が文学界に大きなプレゼンスがあった時期であり、今でも読み継がれ…

『鎌倉殿の13人』における源実朝像の「新しさ」とは何か ー 従来の実朝像・研究動向との比較 <後編>

林勇『少年 右大臣源実朝』(大同館書店、昭和6年)挿絵(国立国会図書館デジタルコレクションより) 前編のつづきです ※2023年5月25日に 16)官位について の項目を追加しました 3.ドラマと史料類との異動・考察 1) 時政との関係 2) 疱瘡 3) 和歌への傾倒 4) 結…

『鎌倉殿の13人』における源実朝像の「新しさ」とは何か ー 従来の実朝像・研究動向との比較 <前編>

土岐善麿『源実朝 (青少年日本文学)』(至文堂、昭和19年) の挿絵 羽石光志 画 ※国立国会図書館デジタルコレクションより 源実朝は、近年著しく評価が変わってきた人物の1人です。たとえば実朝没後800年に編まれた、和歌研究者の渡部泰明氏編の『源実朝 虚実…